事業の経過及びその成果

 当連結会計年度における世界経済は、年度前半は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、経済活動が大きく減速しましたが、第2四半期(7-9月期)以降は、中国を中心に持ち直しに転じました。国内経済も、年度前半はCOVID-19の影響を受け、景気が急速に悪化するなど厳しい状況となりましたが、第2四半期(7-9月期)以降は、輸出や生産の一部に回復の兆しが出てまいりました。
 半導体・電子部品業界の市場は、テレワーク及び遠隔教育の普及拡大に伴い、パソコン市場が好調に推移したことに加え、データセンター向けサーバー市場を中心とした市場が引き続き堅調に推移したこともあり、全体としては成長傾向で推移しました。
 自動車業界の排気系部品市場は、第1四半期(4-6月期)においてCOVID-19の影響による世界的な自動車販売台数の大幅減少に加えて、欧州乗用車市場におけるディーゼル車販売比率の継続的な低下により、厳しい状況が続きましたが、第2四半期(7-9月期)以降は中国を始めとした市場の回復に支えられ、年度後半には前年同期並みの水準まで回復しました。
 このような情勢のもと、当社グループにおきましては、2018年度から始動した5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」の達成に向け、人財育成を基盤に、伸びる市場に対して積極的に経営資源を投入し、既存事業の競争力強化と新規事業の拡大による安定した成長の実現に向けた取組みを進めております。
 これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,234億61百万円と前連結会計年度に比べ274億62百万円(9.3%)増加しました。営業利益は386億34百万円と前連結会計年度に比べ189億48百万円(96.3%)増加しました。経常利益は407億16百万円と前連結会計年度に比べ193億52百万円(90.6%)増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては256億98百万円と前連結会計年度に比べ143億68百万円(126.8%)増加しました。



電子事業

主な製品用途
▪ICパッケージ基板
(パソコン・サーバー向け、携帯端末向け、情報家電向け)
▪プリント配線板
(携帯電子機器向け)


 パッケージ(PKG)事業におきましては、パソコン向けの需要が好調に推移したことに加え、大垣中央事業場における最新鋭のICパッケージ基板製造設備(第1期投資)が、計画通りに安定量産を開始しており、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
 マザーボード・プリント配線板(MLB)事業におきましては、モジュール基板の売上は堅調に推移しましたが、米中摩擦の影響で、一部中国顧客のスマートフォン向けの売上が減少した結果、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
 以上の結果、電子事業の売上高は1,660億70百万円となり、前連結会計年度に比べ25.6%増加しました。同事業の営業利益は278億9百万円となり、前連結会計年度に比べ86.7%増加しました。


セラミック事業 

主な製品用途
▪ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)
▪触媒担体保持・シール材(AFP)
▪NOx浄化用触媒担体(SCR)
▪特殊炭素製品(FGM)
▪高温断熱材
▪ファインセラミックス製品


 自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、高機能製品の生産性改善に加え、排ガス規制強化に伴い需要が拡大している大型商用車向け製品の拡販に努めた結果、売上・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
 触媒担体保持・シール材(AFP)は、第2四半期(7-9月期)以降の中国市場を中心とした自動車市場の回復を受け、売上・営業利益ともに堅調に推移しております。今後、自動車市場の成長の中心となる中国市場でのシェア拡大に向け、計画通り新工場(揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司)の立上げを進めてまいります。
 NOx浄化用触媒担体(SCR)は、主に火力発電所や工場で使用される定置式の脱硝触媒の販売が概ね堅調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
 特殊炭素製品(FGM)は、COVID-19の影響による車輌・航空部門の減速などにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
 以上の結果、セラミック事業の売上高は873億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1.2%減少しました。同事業の営業利益は46億31百万円となり黒字に転換しました。


その他事業  

主な事業内容
▪各種設備の設計・施工
▪メラミン化粧板・住宅設備機器 
▪法面工事部門▪造園工事部門 
石油製品販売部門
▪情報サービス等の各種サービス業


 建設部門におきましては、発電プラント事業の受注は堅調に推移しましたが、COVID-19の流行拡大に伴い、一部民間工事の延期及び大型の完成工事が減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
 建材部門及びその他事業におきましては、COVID-19によって抗ウイルスへの関心が高まり、抗ウイルスメラミン化粧板・関連商材の販売は増加しましたが、外出自粛の影響を受け、ガソリン等の石油製品の販売が減少し、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。
 以上の結果、その他事業の売上高は700億36百万円となり、前連結会計年度に比べ7.1%減少しましたが、各種費用改善などの効果により、同事業の営業利益は、65億50百万円となり、前連結会計年度に比べ12.4%増加しました。


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2021/06/18 11:00:00 +0900
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