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株主・投資家の皆様へ

株主の皆様におかれましては、平素よりイビデン株式会社並びにイビデングループ各社に格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。

過年度業績レビュー

電子事業におきましては、半導体・電子部品業界の市場は、パソコン市場においては、2022年度後半からの在庫調整は一巡したものの、需要の回復は想定よりも緩やかに推移しました。また、サーバー市場においては、生成AI関連の需要は好調に推移したものの、汎用サーバー向けの需要は、ハイパースケーラーによる投資抑制と在庫調整が継続し、全体として厳しい市況となりました。
セラミック事業におきましては、排気系部品市場は、世界的な半導体不足による影響からの回復が進み、自動車生産台数は昨年度対比で増加しました。また、半導体関連市場につきましては、SiCパワー半導体向けを中心に堅調に推移しました。

今期の見通し

電子事業におきましては、足下は生成AI関連の需要は引続き堅調に推移しておりますが、パソコン及び汎用サーバー向けの需要は厳しい状況が継続しております。しかしながら、2024年度の下期以降は、AI関連需要の更なる成長に加えてハイパースケーラーの投資回復により、汎用サーバー向けを含む高機能ICパッケージ基板全体の需要回復が見込まれます。大野事業場の建設を計画通りに遂行するとともに、市況回復後の再成長に向け、One Factory構想に基づくグローバルでの品質力強化と匠(たくみ)人材の育成による現場力の強化を進めてまいります。
セラミック事業におきましては、先進国を中心とした 乗用車市場の電動化への急激な流れからの内燃機関への揺り戻しが想定される一方で、中国の景気減速に伴う影響を一定程度受ける見通しです。DPF・AFP事業においては、中期的な成長が見込まれる中国・新興国市場の産業用車両(トラック・建機など)向けの需要を確実に取り込んでまいります。一方で、長期的には乗用車市場における電動化の流れは不可逆的な流れであり、車載関連事業の永続的な成長に向け、電動車向けバッテリー用安全部材の拡販を強化してまいります。FGM事業においては、SiCパワー半導体を含む中長期的な半導体向け需要の伸びに対し、積極的な設備投資を行うことで、事業を拡大してまいります。

持続的成長へ向けた取り組み

当社グループでは、2023年度より5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」を始動しています。中期経営計画におきましては、5本の活動の柱を軸に、事業環境変化に確実に対応し、電子事業を中心としてセラミック・その他事業も持続可能な安定成長を実現することで、2027年度において、売上高6,500億円、営業利益1,150億円の達成を目指してまいります。
また、人的資本経営として、自立型人財の育成と柔軟な組織運営を実施する中で、心身ともに健康で社会的に満足できる職場環境を提供する「ウェルビーイング」の実践により、継続的な従業員個人の成長と会社の競争力強化を実現してまいります。さらに、ESG経営としてカーボンニュートラルへの取り組みに加えて、高度化するコーポレートガバナンス要求への対応を継続してまいります。

当社グループといたしましては、これらの経営課題・リスクに着実に対処することで、収益基盤を一層強固なものとし、この不確実性の時代を乗り越え、新中期経営計画の目標達成とともに、その先の永続的・安定的な成長を実現するための取り組みを継続してまいる所存でございます。
株主の皆様におかれましては、今後も当社グループへの変わらないご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役社長  河島 浩二