Human Resource Management 人財マネジメント
人財マネジメント
基本的な考え方
社員は事業を展開し、社会に価値を提供する主体です。一人ひとりが会社の方針、戦略をよく理解し、自立的に行動することで、高い生産性を維持しつつ働きがいを感じられる職場づくりに取り組んでいます。
当社は、中期経営計画の中で企業文化の改革を柱の一つに置き、人的資本経営の実践を重点実施項目に掲げています。
人的資本経営の実践
事業環境が変化する中で、中期経営計画で掲げる経営目標を達成するには、自立型人財の育成と環境変化に対応できる制度運営により組織を強化することが不可欠です。自立型人財とは、当事者意識を持ち、自分のやるべきことを自ら考え、機敏に動ける人財であり、自立型人財の育成に向けて、当社は、キャリア開発、制度・施策の側面から社員の支援を進めています。育成面では、知識・スキルを向上させる教育体系の整備と、キャリア面談等を通じてキャリアプランを明確化することで個人のキャリア開発を進めています。加えて、適切な評価・処遇を実現するための人事制度改革を進めるとともに、適所に適材を配置する施策や多様な働き方を実現する制度を運営することで、目的意識を持った個人の自立を促す環境の整備を進めています。また、これらの取り組みの基盤となるのは、組織の活性化、社員のウェルビーイング、帰属意識の向上の視点で、当社らしい企業文化を醸成していくことです。性別、国籍など属性に囚われない多様な英知を持つ社員が、自由闊達に意見を交わせる職場づくりを進め、組織の活性化を図ります。
安心・安全で、いきいき働くことができる職場環境で、目的意識を持った自立型人財が成果を残し、個人の成果が組織の成果に繋がり、さらに高い意欲をもっていきいきと活躍することができるよう、組織をマネジメントすることで、事業の強化につなげていきます。

- 人権の尊重
- 人財の育成
- 多様性の尊重
- 働き方改革の推進
人権の尊重
労働者の権利の尊重
当社グループの「イビデン社員行動基準」は、OECD多国籍ガイドライン、国連グローバルコンパクト、世界人権宣言および業界団体RBA行動規範などの主旨を反映して制定しており、その中で国際労働機構(ILO)が宣言している労働者の基本的な権利を尊重し、強制労働や児童労働などの人権侵害に加担しないことを明確にしています。役員および社員は、労働における基本的原則および権利を尊重し、労働基準法など各国の雇用関係法令および就業規則を遵守するとともに、社会良識・ルールに従った行動をとることが求められます。
また、「イビデングループ社会的責任管理基準」を作成し、人権課題への対応のしくみ、管理者として注意すべき事項をまとめています。管理者は人権課題を含む管理基準の視点で、定期的に職場への影響やリスクを確認しています。管理基準には、強制労働や児童労働を回避するための確認手順などが含まれ、運用する各部門の手順書に落とし込まれています。例として、強制労働を防ぐための、個人文書の保管禁止ルール、児童労働を防ぐための、最低年齢の確認手順が定められています。
人権教育・ハラスメント防止の取り組み
当社では、人権の尊重を確実にするために、労務管理者や採用に携わる管理者、担当者に対して、公正な採用、人権に関する研修を実施して注意を促しています。全社員に対しては、「社員行動基準」を通じて、労働者の権利の周知を進めています。
特に、ハラスメント行為*については、従業員の人権を侵害する問題であり、当社グループでは経営トップから、断じてこれを許さないというメッセージを発信し対策を進めています。
日本国内では、ハラスメント防止の観点において、あらゆるハラスメントの撲滅に向けた管理者および社員に対するハラスメント教育を進めています。管理者向けの研修は全ての管理者を対象にしており、日常のコミュニケーションから、相談を受けた場合の対応や情報の取り扱いまで、管理者として実践すべき事項をトレーニングしています。社内イントラネット上には毎月ハラスメント事例を掲載し、全社員がハラスメントに関する正しい知識を身につけて誰もが働きやすい職場環境づくりに努めています。
また、人権侵害やハラスメントが発生した場合の相談窓口として、人事ホットラインやコンプライアンス相談窓口など複数の窓口を設置しています。これらすべての窓口は、寄せられた相談に対しては、相談者の意思を尊重したうえで、相談者の秘密保護および守秘義務の遵守、相談者への報復行為禁止を徹底し、迅速な対応を行える体制を整えています。
ハラスメント発生時には、コンプライアンス委員会を開催し、事案に対する調査および審議と対策の立案を行います。また、必要に応じて賞罰委員会への付議を行います。
*パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティ・パタニティハラスメント等を含みます。
グループおよびサプライチェーン内の活動アセスメント(人権デューデリジェンス)
当社グループ内はもとより、サプライチェーン全体で人権に対して取り組むことが重要だと考えており、当社の直接の取引先とともに課題に対して取り組んでいます。具体的には、派遣会社・請負会社を含むサプライヤーに対する説明会を開催するなど、周知徹底を進めています。
特に当社に関わる事業においては、業界団体の指針に従って注力すべき課題を設定しています。具体的には、紛争鉱物をはじめとする責任ある資源調達を行うことで、該当地域での児童労働や長時間労働といった人権侵害に加担しないことが求められています(詳細はサプライチェーンマネジメントを参照ください)。また、日本国内では、入管法の改正などに伴う外国人労働者の増加が見込まれ、労務管理の重要度が増しています。海外からの労働者を受け入れる際の注意点などを共有し、債務労働など強制労働に該当するような事態が発生しないよう管理の徹底を要請しています。また、毎年CSR調査、監査などを通じて、取引先・グループ会社と協力し、労務管理や人権課題の実態を確認しています。2025年度、当社グループならびに取引先において、労働者の権利を侵害するような深刻な人権侵害に関する事例は確認されていません。

人財の育成(制度の充実)
事業環境の変化を確実に捉え、新しい製品・技術を生み出していくために必要な人財を育て上げるため、当社では体系的な人財教育の体制を整えています。
具体的には、教育・訓練の基本体系を基に、全社共通教育(年齢別研修、階層別研修)、専門選抜教育を実施しています。年齢別研修では、65歳への段階的な定年延長など、時代の変化に合わせてライフプラン研修からキャリアプラン研修に全面改訂し、専門教育では、2017年に人財開発センターを開設しました。2026年4月からは技術教育、設備教育、ものづくり教育を統合したモノづくり道場に進化させ、モノづくりを支える人財の教育を一貫性を持って実施するための体制を整備しています。また、グローバルに活躍する人財育成では、語学研修だけでなく、異文化適応研修にも力点を置いています。また、2030年ビジョンの達成と持続的なマネジメント実現のため、マネジメント人財の戦略的・計画的確保を進めるべく、2026年より経営役員、幹部職、部長職を対象とした経営人財育成プログラムを始動しております。

人財の育成に関する指標として、社員一人当たりの教育時間の中間目標(2027年度 21時間/年 [イビデン単体] )を掲げています。
※:一人当たり教育時間は、地域によって教育体系や人事制度が異なり、統一した指標の設定が困難であり、海外拠点は対象としていないため、イビデンおよび国内グループ会社を範囲としています。
モノづくり力向上のための専門教育
モノづくり道場では、意識・知識・知恵・技能の伝承を目的に、製造現場で使用する設備や部品を使い、組立、加工などの実践的な教育を展開しています。また、巻き込まれや感電といった危険を認識するための安全体感装置を設置し、安全・危険予知を幅広く学ぶ場としても活用しています。人財育成を通じて現場力を向上させ、事業の競争力強化につなげていきます。
また、当社の技術力を次の世代に確実に伝承し続けるため、技術者育成を専門に行う教育を実施しています。
技術者に必要な基礎教育から専門分野にまたがる教育を行い、次世代の開発につながるスキルを持った人財を育成することで、技術力の向上を図っています。知識の習得はもとより、技術者としてのマインド、OJTを通じた実践的な教育を重視しています。また、これらの人財育成だけでなく、効率的な研究開発や新たなイノベーションを生み出すため、各部門が保有する技術・知見を把握するトランザクティブ・メモリーとしての役割も担っており、今後も「イビテクノ」を生み出し続ける源泉として重要な役割を担っていきます。
グローバルに活躍する人財の育成
グローバルな競争力強化に貢献できる人財、異文化マネジメントが出来る人財の育成に力を入れています。特に、異なる価値観を受容し、海外スタッフとのコミュニケーションスキルを向上させるため、2024年度からは海外出向候補者を選抜し、異文化研修および実践的語学研修等のプログラムを実施しています。また、海外グループ会社の役員に就任するイビデン社員に対しては、経営力向上のためのE-learning教育を実施しており、これまでに20名以上が受講しています。海外スタッフに対しては、日本での研修を実施するなど、海外のコア人財の育成にも力を入れています。
生産性改善の取り組み
当社では、生産性改善の活動を人財育成と捉え、仕事の進め方を身に着ける、改善マインドを定着させることに主眼を置いています。また、活動の成果を求めるのではなく、身近な日常業務の困りごとを解決することから始めています。具体的には、業務を目的・目標から見直し、必然的に効率良く成果が出せるフローに改善し、後戻りしないようにRPA※1等のIT技術も積極的に導入しています。また、全社活動であることから、他部門と協業した改善が進めやすくなり、全体最適を追求した業務品質の改善にもつながっています。
また、毎年6月には、国内外拠点、グループ会社からの優秀な改善事例を報告するTPM※2ワールド大会を開催しています。現場での改善の成果を発表する場を提供することで、高いモチベーションを維持するとともに、海外工場からも積極的に参加することで、情報共有、人財交流の場にもなっています。この他にも、現場での定期的な報告会で、成果、困りごとなどをトップマネジメントと直接対話できる機会を設け、改善活動の活性化を図っています。
※1 Robotic Process Automation : ロボットによる業務の自動化
※2 TPM(Total Productive Maintenance): 生産および品質システムの完全に整った状態を、組織に価値を付加する、機械、設備、工程および従業員を通じて、維持し改善するシステム
IT・デジタル技術の活用
持続的な競争力維持に向けて、デジタル技術の活用を積極的に推進しています。高機能ICパッケージ基板を量産する事業場では、生産効率の最大化、製品品質の安定・向上、コストの削減を行うため、ICT技術を活用し、スマートファクトリー化を進めています。設備異常から品質情報、加工情報までさまざまなデータを蓄積し、より高度なデータ解析で改善のスピードアップを図っています。デジタル技術の活用により、保有する経営資源の最適活用と生産効率の最大化を実現していきます。
また、会社の持続的な成長と新たな価値創造の実現に向けて、当社ではAIを活用し、社内に蓄積された知見を事業競争力の強化につなげるデジタル基盤を構築するとともに、AIエージェントの段階的な導入を進めています。中期的には、業務の中にAIを組み込み、人とAIの協働による生産性向上や意思決定の高度化を実現する「思考パートナー」へと進化させ、AIエージェントが組織横断で知識やデータを活用し、自律的に業務を提案・実行する環境を整備することで、事業価値の最大化を図っていきます。なお、当社グループでは、AIの利活用における指針として「イビデングループAI基本方針」を定め、適切かつ責任ある活用を推進しています。
キャリア形成の支援
当社は、社員一人ひとりに応じたキャリア形成を支援する仕組みを設けています。上司との面談の中で、現在または将来的に社員が伸ばしたいスキルや、上司の期待と支援方針を話し合うことで、社員の主体的なキャリア形成を支援しています。その一環として、社員がより自発的にキャリアを選択できるよう、2025年度に社内公募制度を導入しました。また、能力開発を支援する制度として、自己啓発型の通信教育の受講支援制度も設けています。
採用と若手社員の定着支援
採用については、新卒採用に加えて、社内に不足しているスキル・知見をもった即戦力人材や多様な人材の獲得を目的としてリファラル採用も活用した積極的なキャリア採用にも注力しています。在職時の知見に加え、社外で培った経験や専門性を活かした活躍を期待し、社内外での制度周知を進めています。
また、新入社員配属後の職場定着・早期戦力化に向け、職場の身近な先輩社員が新入社員を支援する「職場先輩制度」を導入しています。この制度では新入社員が自ら先輩社員を指名し、指名された先輩社員は、仕事の進め方や専門分野に関する助言、他部署との連携支援の他、業務内外にわたる相談相手となることで、新入社員一人ひとりのキャリア形成のスタートをサポートしております。
当社事業の更なる発展、拡大に向けて、会社の将来を支える新卒採用、即戦力となる中途採用ともに積極的に取り組んでいきます。
公正な評価・処遇
事業の競争力を高めるためには、社員一人ひとりが高い目標に挑戦し、その能力や強みを最大限に発揮するとともに、組織全体の力を向上させることが重要であると考えています。当社では、「成果主義」の考え方に基づいた目標管理評価制度を導入し、会社業績に連動したチャレンジ目標を設定しており、その達成状況とプロセスを公平・公正に年2回評価し、成果や貢献を処遇に反映しています。それら目標の設定時や評価時の面談を通じて上司と部下のコミュニケーションを促すことで、人財育成にもつなげています。
当社では、社員一人ひとりの役割や専門性に応じて能力を発揮できるよう、人事制度の見直しを進めており、2025年度は、管理職およびシニア職の制度改訂を実施しました。管理職については、期待される役割に基づく役割グレード制度を導入し、組織運営を担うマネジメントコース、成果創出をリードするリーダーコース、高度な専門性を発揮するエキスパートコースを設けています。シニア職についても、役割や希望に応じたコース・等級体系を整備し、多様な人材が経験や専門性を活かしながら活躍できる環境づくりを進めています。
また、管理職およびシニア職にとどまらず、今後は一般社員を対象とした人事制度についても順次見直しを進め、一人ひとりがより働きがいを感じながら成長し、活躍できる環境の実現を目指していきます。
社員エンゲージメント調査の実施
当社および国内グループ会社では、2007年度より定点観測による社員意識の変化や人事課題・問題を把握・分析し、施策提案や改善へ繋げることを目的に、2年に1回の頻度で調査を実施してきました。
当社では、経年での意識の変化を丁寧に確認し、よりタイムリーに人事施策へ反映するため、やりがい、目的意識、帰属意識などを含むエンゲージメントついて、2023年度より毎年調査を実施しています。
2025年度は95%(対象者数※:4,077名、回答者数:3,862名)の社員が参加し、総合スコアは3.62(前年3.45)と前年と比較して改善しています。2027年度までに総合スコアを3.7まで向上させることを目標としており、調査結果を踏まえ、評価制度の見直しや、職場コミュニケーション活性化施策の強化、新たな福利厚生サービスの周知強化等を進めています。
※:イビデンおよび国内グループ会社

経営層と社員の交流会の実施
中期経営計画の中で、企業文化の改革を柱の一つに置いており、その方策の一つとして、経営層と社員の対話に力を入れています。
社長が各現場の社員の声を聴き、また自らの思いを伝える場として、小規模な交流会を開催しています。2025年度は62回開催され、400名以上の社員が参加しました。このような機会を通じて、今後もエンゲージメントの向上や社員一人ひとりの行動が変わることによる企業文化の改革を進めていきます。
交流会の様子
多様性の尊重
当社グループは、グローバル化や価値観の多様化が進む中で、多様な人財が個々の能力を発揮でき、生きがい・働きがいを感じることができる職場環境・風土の実現をめざしています。
ワーク・ライフ・バランスの取り組み
当社では、企業の社会的責任として次の世代を担う子供たちが健やかに育つ環境を整えるため、仕事と子育ての両立をサポートするなど、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)への取り組みを積極的に進めています。具体的には、以下の制度を設けています。
・産前産後休業
・育児休業
・出生時特別休暇(有給・1歳までの育児を目的に利用できる)
・育児期間中の短時間勤務(小学校5年生の始期まで) 等
これらの取り組みや利用可能な制度の認知度を高めるため、出産前からの休業、その他制度などの育児に関連する働き方をまとめた「イビデン育児ハンドブック」を発行しています。このハンドブックは、育児に関わる従業員のみならず、職場や同僚で育児に関わる方がいる従業員などすべての従業員が閲覧可能となっており、子育てに理解のある職場環境を構築し、円滑なコミュニケーションの促進を図っています。また、男性社員の育児休業取得を推進するために、男性の育児休業や復職までのサポート体制を伝えるセミナーを開催しています。その他にも、企業連携型保育園との提携や、搾乳を目的としたマザールームの設置など仕事と生活の両立を支援する制度を導入しています。その結果、2025年度では当社における男性社員の育児休業取得率※は82.8%ですが、出生時特別休暇を含めた育児休業等取得率は95.7%となっています。2012年度に厚生労働省の「くるみん」に認定されて以降、継続した活動と取り組みレベルの向上により、2020年度に「プラチナくるみん」に認定されています。
*「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。
| 次世代育成支援対策推進法に基づく特例認定企業 今後の両立支援の取組(行動計画に代えて)[2020年10月](PDF/993KB) |
また、柔軟な働き方としてフレックスタイム制度や時差出勤制度、短時間勤務制度や在宅勤務制度を整えています。介護・看護をしながら働く従業員のための休暇制度や、配偶者の転勤や介護などを理由に退職された従業員の再雇用制度を設け、多様な人財が働きつづけることができる環境づくりを行っています。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの理解向上
当社グループは、社員行動基準の中で、人種、肌の色、年齢、性別、性的指向、性同一性、民族、国籍、疾病、障がい、妊娠、宗教、信条、社会的身分、結婚歴などによる不当な差別や嫌がらせを行わないことを掲げ、全社員に向けてダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの理解向上を図っています。両立支援、女性活躍推進、障がい者雇用、外国人の登用、LGBTQについて正しい知識を身に付け、多様性を理解・尊重し、日常のマネジメントに生かすため、管理職に対してダイバーシティ研修を行っています。
また、新たな事業場などの建設にあたっては、多目的トイレやジェンダーレス更衣室設置などの対応を進めています。
日本では長年、管理職として活躍する女性の少なさが問題視されています。当社は、女性の管理職への更なる登用が重要と捉え、中期目標(2027年度 女性管理職比率3%以上 [イビデン単体]、4.8%以上[イビデンおよび国内グループ会社])を掲げています。幅広い職場において女性社員の活躍を広げるための取り組みを継続的に実施し、職域を拡大した女性社員がより多く活躍することにより、企業風土の活性化を図っていきます。
また女性活躍推進法に基づく行動計画においては、女性が管理職として当たり前に活躍できる企業風土を醸成するために2026年4月1日から2031年3月31日までの5年間で管理職に占める女性管理職の割合を5%以上登用するという目標を掲げ、活動を進めています。
※女性管理職比率は、課長級であるミドルマネージャー以上における女性の比率です。海外グループ会社の管理職は、各国の法律、各社の基準に基づき定義しています。
障がい者雇用の推進
障がい者が地域の一員としてともに生活できる社会を実現するためには、職業による自立を進めることが重要です。当社グループでも、障がいを持つ社員が活躍しています。グループ会社であるイビデンオアシス株式会社は、2019年4月に障害者雇用促進法*1に基づく特例子会社*2の認定を取得しました。地域の特別支援学校や障がい者雇用関連機関と連携して働く意欲のある障がい者を安定雇用し、安全な職場環境の整備と能力開発を通じて、その職業的自立を支援していきます。また、岐阜県教育委員会と連携し、特別支援学校に在籍する肢体不自由・病弱な生徒の就労機会を図るため、ICT機器を活用した在宅実習プログラムのモデル研究に協力するなど、障がい者の就労機会の拡大に向けて地域と連携していきます。今後も多様な人財が個々の能力を発揮し、生きがい・働きがいを感じることができる職場環境・風土の実現を目指していきます。
*1 障害者雇用促進法: 障がい者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置等を通じて、障がい者の職業の安定を図ることを目的として制定されています。
*2 特例子会社: 事業主が障がい者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社が雇用しているものとみなします。
シニア社員の活躍
当社および国内グループ会社における60歳以上のシニア層の社員の増加や社会環境変化から、労使間で話し合いを進め、2020年度より定年延長制度を導入しました。60歳定年を2028年度までに段階的に引き上げ、65歳定年制へと移行します。さらに、定年を迎えた65歳以降でも本人の希望や能力と会社のニーズが合うシニア社員が多様な働き方を選択できるような制度を2022年度より導入しています。処遇につきましては、モチベーション高く、専門性や現場スキルが活かせるよう、役割と成果に応じて報いる制度を構築しました。また、2021年4月には、シニア社員の活躍を促す職域拡大を目指して、治工具をメンテナンスする職場を立上げました。
今後は、健康で活き活き働けるよう、50歳以上の社員を対象とした研修を充実させるとともに、健康セミナーや介護問題に関する支援も検討していきます。
海外からの人財の活用
当社は、海外グループ会社のイビデンフィリピン株式会社の社員を、技能実習制度を活用して受け入れています。日本で最先端の技術を学び、それを現地へ持ち帰ることで海外グループ会社のレベルアップにつなげます。また、海外からの社員が慣れない土地でも安全安心に働けるように、日本語研修のみならず、異文化研修やファイナンシャルリテラシー研修を実施し、生活面では専門スタッフがサポートしています。

働き方改革の推進
労働時間管理
日本国内では、長時間労働の是正は重要な課題の一つです。関連する法規制の強化が進む一方で、長時間労働が原因とされるメンタル疾患や労働災害が深刻な問題となっており、長時間労働の是正に向けたさらなる努力が、企業に求められています。
当社では、年間の総労働時間を2,000時間未満にすることを目標として、本部長方針および部門長による目標の設定と進捗管理とともに、年休取得の推進、残業時間削減の取り組みを進めています。これに伴う労務管理の複雑化に対しては、管理者向けの教育を行うとともに、月間の労働時間の進捗状況を確認することで、未然に過重労働を防ぐ管理を徹底しています。また、具体的な仕事の進め方の見直しを進めており、社内のコミュニケーションを活発にするとともに、業務を目的や目標から見直し、ITツールの活用や進め方を変えることで、業務効率と品質の向上に全員で挑戦しています。
労使間のコミュニケーション
当社は、働きやすい職場づくりの実現に向け、お互いの信頼関係のもと労使一体となり協業活動をしています。継続した労使間の話し合いを通して、労働基準など社員の職場環境のリスクや影響を評価しており、時間管理や人事制度の充実などの分野で、具体的な協業テーマを挙げて取り組みを進めています。中央労働協議会、労使委員会などを毎月開催し、協議テーマの進捗状況についてレビューを行い、労使一体となり職場環境の改善に向けて協議、活動しています。また、当社では、上記の会議体など労使間の様々なレベルの対話の場を設け、経営方針、生産計画に関する事項、採用方針に関する事項などの説明や、社員に重大な影響を及ぼす事項などの協議を行っています。
労働関連法令遵守の徹底
当社グループは、労働基準法など各国の雇用関係法令を遵守し、社会良識・ルールに従った行動をとります。国内においては、人事労務部門が、遵守すべき法令について改廃状況などのモニタリングをしています。また、国内のグループ会社に対して定期的にモニタリングを行い、法令の遵守状況を確認しています。万が一労働基準に抵触する可能性が発生した場合、即座に当該事態を確認し、根本的な原因を分析し、二度と発生しないように対策をとっていきます。 2025年度は、事業活動に影響を与えるような労働法(安全衛生含む)に関連する違反は確認されていません。