事業の経過及びその成果

 当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による影響からの正常化に向けた動きが継続しましたが、昨年末からの変異株による感染再拡大に加え、ロシアのウクライナ侵攻が拍車をかけた原材料費やエネルギー価格の高騰など、不安定な状況となりました。国内経済は、COVID-19の影響が継続したことに加え、為替相場の円安傾向や各種資材等の価格上昇に伴い不透明感が高まりました。 
 半導体・電子部品業界の市場は、テレワークやオンライン教育の定着及びOS更新に伴う切り替え需要によりパソコン市場が引き続き好調に推移したことに加え、データセンター向けを中心としたサーバー市場が堅調に推移したこともあり、全体として成長傾向で推移しました。
 自動車業界の排気系部品市場は、昨年度の夏場以降はCOVID-19の影響から緩やかな回復基調にありましたが、世界的な半導体不足に伴う影響等により厳しい状況が継続しました。
 このような情勢のもと、当社におきましては、2018年度から始動した5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」の最終年度目標の達成に向け、人財育成を基盤に、伸びる市場に対して積極的に経営資源を投入し、既存事業の競争力強化と新規事業の拡大による安定した成長の実現に向けた取組みを進めております。
 これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,011億38百万円と前連結会計年度に比べ776億77百万円(24.0%)増加しました。営業利益は708億21百万円と前連結会計年度に比べ321億86百万円(83.3%)増加しました。経常利益は743億94百万円と前連結会計年度に比べ336億77百万円(82.7%)増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては412億32百万円と前連結会計年度に比べ155億34百万円(60.4%)増加しました。

電子事業

主な製品用途
▪ICパッケージ基板
(パソコン・サーバー向け、携帯端末向け、情報家電向け)
▪プリント配線板
(携帯電子機器向け)

 パッケージ(PKG)事業におきましては、パソコン向けの需要が引き続き堅調に推移したことに加え、大垣中央事業場における第1期投資の安定量産の継続、更に第3四半期からは第2期投資が計画通り量産稼働を開始したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
 マザーボード・プリント配線板(MLB)事業におきましては、一部の中国顧客のスマートフォン向けの売上が減少しましたが、モジュール基板の売上が堅調に推移した結果、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
 以上の結果、電子事業の売上高は2,369億81百万円となり、前連結会計年度に比べ42.7%増加しました。同事業の営業利益は551億13百万円となり、前連結会計年度に比べ98.2%増加しました。

セラミック事業

主な製品用途
▪ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)
▪触媒担体保持・シール材(AFP)
▪特殊炭素製品(FGM)
▪高温断熱材
▪ファインセラミックス製品

 自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、半導体不足による自動車生産台数の減少に加え、世界的な脱炭素化の流れに伴い、乗用車を中心に電動化が加速した結果、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。営業利益は、高機能品の生産性改善、更には大型商用車向け製品への受注シフトを進めた結果、前連結会計年度に比べ増加しました。
 触媒担体保持・シール材(AFP)は、DPFと同様に自動車市場全体の減速による影響を受けたものの、新工場(揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司)を計画通り立上げ、中国市場の需要を取り込んだことで、売上高・営業利益ともに前連結会計年度と同水準となりました。
 特殊炭素製品(FGM)は、半導体製造装置向け製品を中心に、世界的な半導体需要の高まりを受け、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
 以上の結果、セラミック事業の売上高は906億78百万円となり、前連結会計年度に比べ3.8%増加しました。同事業の営業利益は87億18百万円となり、前連結会計年度に比べ88.2%増加しました。

その他事業  

主な事業内容
▪各種設備の設計・施工
▪メラミン化粧板・住宅設備機器
▪法面工事部門▪造園工事部門
▪石油製品販売部門
▪情報サービス等の各種サービス業

 建設部門におきましては、受変電設備及び非常用発電設備工事の受注に加え、環境事業における土壌分析の受注が堅調に推移し、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
 建材部門におきましては、原材料費の高騰や資材調達難などウッドショックの影響を受けたものの、抗ウイルスメラミン化粧板・関連商材の販売が増加し、売上高は前連結会計年度並みとなりました。その他部門におきましては、世界的な原油価格の高騰に伴う石油製品の販売価格の上昇に加え、合成樹脂加工部門における発泡樹脂製品の販売が堅調に推移し、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
 以上の結果、その他事業の売上高は734億79百万円となり、前連結会計年度に比べ4.9%増加しました。各種費用改善などの効果により、同事業の営業利益は、70億90百万円となり、前連結会計年度に比べ8.2%増加しました。

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2022/06/17 15:00:00 +0900
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